ScalaMatsuri運営ブログ

アジア最大級のScalaカンファレンス「ScalaMatsuri」の運営ブログです。このブログは株式会社はてな様のご協力でお送りしています。

「グローバルな技術カンファレンス」と「日本のコミュニティの交流」の両立

ScalaMatsuri スタッフの @eed3si9n_ja です。翻訳チームということになっていますが、企画やノベルティなどサブで何でもやってます。

ScalaMatsuri 2016 の大きな目標として

  • 日本国内の Scala のコミュニティが交流したり、海外も視野に入れて発表できる場を提供する
  • ユニバーサルアクセスを目指して、言語、ジェンダー、民族などの壁を超えて心地よく参加できる国際的な技術カンファレンスを作る

という 2つがあると思います。スタッフがあれこれ考えながら楽しむという側面もありますが。この 2つの目標をどう達成するのかを僕なりに考えてみたのが去年のカンファレンスの後に書いたカンファレンスでのユニバーサル・アクセスへ向けてというブログ記事です。

今回は、日本のコミュニティの交流とグローバル化の両立というテーマで、「ユニバーサル・アクセスへ向けて」で中で出てきた、行動規範、公開 CFP 、投票制など背景を紹介します。アイディアそのものは前から出ていましたが、いざ実現するとなると、実際に参加する人が楽しめるカンファレンスにする、日本の独自色を出すこと、カンファレンスをより技術的に高いものにして近隣諸国を含む海外からの参加者を増やす、などさまざまなパラメータから議論を重ねる必要がありました。

ハラスメントとは?

誰もが自分は常識人だとある程度は思っているのではないでしょうか。言ってみればそれは何かあれば例外を投げればいいと思ってるメソッドに似てて、実は他人に迷惑をかけているかもしれないタイプです。例えば、「男性|女性のくせに・・・」、「〇〇人は・・・だ」はステレオタイプ化と言って立派な差別です。

ScalaMatsuri では行動規範 (code of conduct)を前回から採用していますが、今回特に明記したのはナンパ行為 (容姿に関する発言、恋愛・性的興味を目的とした発言) の禁止です。「そんな事する人いない」と思われるかもしれませんが、Scala 関連を含め、近年のカンファレンスでのハラスメント事例は定期的に報告されています。日本そのものの文化に不慣れだったり、普段コミュニティと関わりが少ない人、特に国内外の女性のハッカーに安心して参加してもらえるようにするには、「安全な空間」を作るための型を早急に明確にするべきだと思いました。

お互い、ハッカーとして敬意を持って接して下さい。ご協力お願いします。

公開 CFP

過去2回の開催では運営側が招待講演者を選定して、初回は Typesafe社から 4人の参加、第2回は Martin Odersky 先生にも登壇していただきました。さらにセッションの技術的なレベルを上げる方法として今回から長期の公開 CFP、最大 $2000 の旅費サポートを提供することに踏み切りました。

特に、40分英語のセッションには現在のべ 32本の案が集まっています。従来の運営側を通しての方法では不可能だった競争率となっています。幸いなことに今年はスポンサー各社に恵まれたため、予定通りの旅費予算が確保できることになりました。ありがとうございます。

集まってきているセッション案は両言語とも幅と深みを持った数々で、どれが選ばれても面白いカンファレンスになりそうです。また、プロの同時通訳を 2会場に採用して英和、和英双方向とも同時通訳が行われるため、より理解が深まることを期待しています。

投票制

カンファレンスの参加者の意見を反映させる仕組みとして、nescala の影響を受けて採用したのが第一次チケット購入者・スポンサー各社・スタッフの 3者によるセッションの投票制です。限られている旅費予算をフェアに分配することも目的としています。

セッションの投票は、CFP 締め切りの翌日 10月16日から開始され、10月30日23:59 JST に終了します。

投票のルールはCFP ページでも公開されていますが、

  • 投票は以下のカテゴリ別で行われます: 40分英語セッション、40分日本語セッション、15分英語セッション、15分日本語セッション。
  • 投票の結果、両言語とも8つの40分セッションそして3つ の 15分セッションを選出することを目標とします。ただし、数は旅費予算によって変わる可能性があります。
  • 40分日本語セッションにのみ初心者向けの固定枠を2つ設けます。英語のセッションにはそのような固定枠は設けません。
  • 1人あたり 1つのセッションのみ当選できることとします。

上のルールでは運営側で操作した変数もいくつかあって、そのうちの一つは当選されるセッションの言語比率を 1:1 にしたことです。現在圧倒的に英語の応募者の方が多いですが、旅費予算の関係や、日本国内からの参加者が大多数となるであろうこと、地域色を出したいことなどを勘案して 1:1、つまり 40分セッション各 8枠、15分セッション各 3枠、という配分にしました。

今回の CFP 応募の段階で、セッションの意図する聴衆 (初心者、中級者、上級者向け) を聞くようにしました。海外からの参加者はスピーカも参加者も中級以上に偏ることが想像されますが、国内の参加者は最近 Scala を始めた人もいると思います。事前の知識が無くても楽しめる日本語でのセッションが一定数あるべきだと思ったので、日本語の 40分セッションには初心者向けの固定枠を 2つ設けました。

投票終了後に、得票順にセッションが暫定採用されますが、上位より旅費サポートが割り当てられるため、得票順や、言語別の割り合いがどうなるかは結果を見るまで分からないところがあります。

CFP 翻訳

英語と日本語のセッションを英語話者および日本語話者が投票するということで、発生しているイベントが CFP 翻訳という作業です。現在ある 58本の応募を翻訳チームがタイトルと概要を両方、原文が英語なら日本語に、原文が日本語なら英語に翻訳しています。

特に英語圏のカンファレンスのトークや計算機科学関連は、「食事する哲学者」や「scrap your boilerplate」など言語のセンスが豊かでキャッチーでタイトルのものが多いので、翻訳チームでも真剣なトピックでも固くなり過ぎないように遊び心を入れた訳をしています。

ScalaMatsuri を盛り上げるネタ

ScalaMatsuri のメインコンテンツは、皆さんの発表です。「こういうカンファレンスに行きたい」「こういうトークが聞きたい」というアイディアがある人は twitter などで、#scalamatsuri 付きでつぶやいてみるか、10月15日00:00 JST まで募集している CFP に奮ってご応募下さい。

今回も 2日目はアンカンファレンスをやります。その場で決めたトピックで座談会するも良し、今からコツコツとプログラムをハックしてアッと言わせるデモをやるも良し。今回の会場は部屋が色々あるみたいなので、ちょっとマニアックじゃないかなというネタでも 2日目はいけると思うので、色々考えてみてください。

今年のチケット価格の理由

ScalaMatsuri 2016の一般チケットの販売が開始されました。

www.atpress.ne.jp

前回、ScalaMatsuri 2014とくらべて、チケット価格が値上がりしていることに戸惑われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで、今年からのチケット価格値上げの理由について書いておこうと思います。

ScalaMatsuriのように定期的に開催しているイベントは、前回の反省点や、参加いただいた皆さんからのフィードバックを受け止めて、開催の度になんらかの改善を行います。 また、Scalaという技術そのものが、年々導入事例を増やしており、参加希望者が開催ごとに増加している(裾野が広がっている)、ということもあります。

そこで、今回のScalaMatsuriでは、以下の大きな改善を行うこととしました。

  • 会場をより広く
  • 海外スピーカーのトークに同時通訳を導入
  • 講演者の旅費サポートによる品質の高い講演の確保

会場をより広く

参加者の増加が理由なのはもちろんなのですがもう一つ意図があります。こういった大きなイベントは参加者同士の交流や、コミュニティの促進、スポンサー企業との求人やサービスのマッチング、 など様々な機能を有しています。そういった場を作るためには、単に講演会場がいくつかある、というだけでなく、参加者が講演の場以外でも過ごせるようなスペースなども 必要だと思います。そういった事情から、今回から会場をより広く、スポンサーブースなど講演会場以外の場所もいくつかご用意する予定です。

海外スピーカーのトークに同時通訳を導入

前回のアンケートで最も多かったのがこのご意見。前回も、スライドの字幕や、チャットを使ったボランティアによる通訳を行っていましたが、 やはり貴重な海外スピーカーのトークをきちんと理解するには、質の高い同時通訳を導入するのが最も効果的です。 同時通訳は他の技術系カンファレンスでもいくつか導入がされており、それらの知見を取り入れつつ今回からScalaMatsuriでも採用することになりました。

講演者の旅費サポートによる品質の高い講演の確保

国内だけにとどまらず、ScalaMatsuriでは積極的に海外のエンジニアにも呼びかけて、世界的なトレンドを感じ取れるカンファレンスを構築することをひとつのテーマとしています。 これらの遠方のハイレベルなエンジニアに対して旅費をサポートすることで、イベントの品質を高いレベルに保ちたいという意図があります。

その他としては、1日目の昼食・懇親会。2日目の朝食と昼食、といった形で、期間中の食事のご用意などもあります。

ScalaMatsuriは注目度も高く、Scalaのイベントとしては大変規模の大きなイベントです。そしてこの勢いは、ここしばらくは増加傾向にあると思います。 そういった傾向を踏まえて、より参加者にとって実りが大きくなるような運営を持続させるために、 チケット価格を規模の拡大に対して持続可能なラインで設定し、数年間安定したイベントが開催できるような水準とさせてもらいました。

何卒ご理解いただきたく思います。

番外編 Scala World 2015レポート その2 アンカンファレンス編

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こんにちは、ScalaMatsuriスタッフの@OE_uiaです。

今回も番外編として2015年9月19日〜23日にイギリス湖水地方で開催されたカンファレンス、Scala World 2015の模様についてお送りします。前回のScala World 2015ハイキング編のレポートはこちら。

番外編 Scala World 2015レポート その1 ハイキング編

会場の入り口。ジュラシックパークみたいだね、ってTwitter上で突っ込んでいる人もいましたが、まさにそんな感じです。 f:id:oe_uia:20150927202621j:plain

9/20 アンカンファレンス

この日は昼頃までハイキング(自分は不参加)と、午後3時からアンカンファレンスを行いました。 古くはNE Scalaがアンカンファレンスを行っていましたが、最近ではScala Days 2015 San FranciscoScala Matsuri 2014など、アンカンファレンスを取り入れるScalaカンファレンスが増えてきました。

アンカンファレンスとは?

それでは、アンカンファレンスとは一体どんなイベントでしょうか?

講演内容や発表者が当日まで決まっておらず、来場者が自分の話したい内容を発表する、参加者が全員でつくりあげるカンファレンス。発表者したい人は当日受付で申し込みを行う。

Hatena Keywordより

付け加えると

  • アンカンファレンス冒頭の30分〜1時間で、参加者によるセッションの提案、採用可否の決定、タイムテーブル作成を行う。「朝会」などとも呼ばれる。
  • イベントによっては、事前に応募だけ受け付けることもある
  • トーク以外に、ワークショップやパネルディスカッションなど、様々な形式でセッションを行われやすい
  • 本セッションの CFP で落選した人など、最初っから応募してなくてもネタを事前に仕込んで来ている
  • とりあえず当日はラップトップ・電源・プロジェクタのコネクタを持ってきている
  • 何を話してもいいので多少マニアックな内容でも ok

といった特徴があります。

今回のScala World 2015では、事前にGitHub上でpropensive/scalaworldに概要を記載したmarkdownをPull Requestで送ることで事前応募可能でした。事前に応募するとWebサイトのアンカンファレンス欄に表示されます。

筆者(@OE_uia)も事前に応募していましたが、概要が公開されていたことで、スピーカーのChris Birchall(@cbirchall)氏にお声がけいただき、ロンドンのGuardian, Inc.本社で発表する機会をいただきました。事前に積極的に応募しておくと、思わぬ機会につながることもあると学びました。(Chrisさん、ありがとうございました!)

アンカンファレンスのPlanningセッション

Scala World 2015主催者のJon Pretty(@propensive)氏の仕切りでプラニングセッションがスタート。

「このセッション30分にして欲しい」「離れてる会場でもいい」などとその場で調整しながら埋めていきました。

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Google Docs上にリストアップしたセッション候補に対し、カーソルを当てた人数で採用可否を決定する、というユニークな方法で投票していました。

筆者のトーク「Neural Network as a function」も幸いにも採択。ただ時間の都合上デモができなかったので、あまりScala成分ありません。

www.slideshare.net

Beyond Scala Lenses

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Monocleの作者Julien Truffaut(@JulienTruffaut)氏のトーク。

www.slideshare.net

Iso, Prism, Lens, Optionalといった、Optics関連の概念をScalaのコードを使って解説するセッションです。 途中クイズ形式だったり、かなりインタラクティブに進行していました。

「Prism相当のものはScala標準ライブラリに含まれているけど、なんだか分かるかな?」

「apply & unapply」

「正解!」

などと、前方で次々に即答している人をよく見たら、SpireCatsのリポジトリオーナーでスピーカーのErik Osheim(@d6)氏でした。流石。

-Yno-lub

sbtチームのEugene Yokota(@eed3si9n)氏による、型推論を弱くするフラグの提言。現在はsbtプラグインとして公開されています

自分は聞けませんでしたが、人だかりができていました。

Strict equality and cooperative equality in spire

SpireメンテナのRüdiger Klaehn(@klaehnr)氏による、Equalityを表す型クラスに関するトーク。

docs.google.com

  • Equalityを表す型クラスインスタンスが、ライブラリによって実は全然挙動が違ってつらい
  • EqualityをStrict EqualityとCooperative Equalityに分けて、カスタマイズはCooperative Equalityの型クラスだけでやらないか、という提案

Equalityを表す型クラスが整理されていて、リファンレンスとしても便利と思います。

7/20夜 アンカンファレンス後の飲み会

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Julien氏も来ていたので、Lensについての話題が中心でした。

「Lensでネストされたデータ構造の値を取り出す話、Haskellだと嬉しいのはわかるけど、フィールドアクセスをドットでチェーンできるScalaだと何が嬉しいんだろう?」

「いや、case classだとcopyのネストが嫌じゃない?」

「Lensを使った場合のパフォーマンスはどうなんだ?」

「Lensを使うと関数合成のたびにインスタンスが生成されるからその分だけ遅くなるけど、6重にネストされた程度のオブジェクトなら定数の範囲で収まるよ」

などなど。

その一方で、マインクラフトでプログラミングなど今まで見た変態言語の話題になったので、日本が誇る?肉体言語Tythonの紹介をしたところウケるなど、こちらも楽しく参加していました。

ぷち宣伝

2016年1月30日、31日に開催するScala Matsuri 2016では、2日目にアンカンファレンスを開催することを決定しました! 続報をお楽しみに。

カンファレンスはその3へと続きます!

番外編 Scala World 2015レポート その1

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こんにちは、ScalaMatsuriスタッフの@OE_uiaです。

今回は番外編として、2015年9月19日〜23日にイギリス湖水地方で開催されたカンファレンス、Scala World 2015に参加してきましたので、その模様についてお送りします。Scala Matsuri以外のカンファレンスは一体どういう感じなのか、雰囲気を楽しんでもらえたら嬉しいです。

Scala Worldとは?

今回が第一回目となるScalaの国際カンファレンスで、主催者はScala Matsuri 2014にも登壇されたJon Pretty(@propensive)氏です。

9/21-22のカンファレンスにおけるスピーカーはすべてJon Pretty氏による招待者のみとなっており、「consistent, coherent and curated」であることが特徴とのこと。9/20のアンカンファレンスのみ一般公募していました。

開催場所

イギリス湖水地方(Lake District)の都市Penrithに程近い、Rheged Centreが会場でした。

会場入口の様子 f:id:oe_uia:20150926030847j:plain

会場までの道中 f:id:oe_uia:20150926031407j:plain

会場の隣が羊牧場という、とても牧歌的な街 f:id:oe_uia:20150926051259j:plain

開催スケジュール

  • 9/18 夜:有志による飲み会
  • 9/19 日中:ハイキング 夜:有志による飲み会
  • 9/20 午前:ハイキング、午後:アンカンファレンス 夜:Speaker Dinnerないしは、有志による飲み会
  • 9/21 日中:カンファレンス1日目 夜:パーティ
  • 9/22 日中:カンファレンス2日目

特徴

  • 参加者は200人強。イギリス国内2割、ヨーロッパ4割、それ以外4割程度(挙手による概算)
  • 上級者向けセッション中心で、初心者向けのセッションがほぼ皆無
  • 実験的なライブラリ・取り組みの発表が目立つ
  • Workshopと銘打った1時間半程度のデモセッションも複数
  • 犬も歩けば有名ライブラリ作者に当たるほどの密度の高さ
  • 基調講演者がRúnar(@runarorama)氏(Scala関数型プログラミング&デザインの原著者の一人)、Daniel Spiewak(@djspiewak)氏(scalaz-streamメンテナ)の他、登壇者にTypelevelコミュニティの人が多数登壇しており、関数型寄りの人が多め
  • 参加者連絡用のgitterチャンネル及びGitHub wikiがあり、ご飯・飲み会の待ち合わせや、車の同乗者募集などの融通に活用されていた

レポート

開催前日まで

今回の会場はイギリス湖水地方です。アクセスとしてはおよそ成田からLondon Heathrow Airportまで13時間程度のフライトをした後、London Euston駅からVirgin Trainで3時間強かけてやっと最寄り駅のPenrith駅に到着と、とても遠い。なお駅から会場までも車で15分程度かかります。カンファレンス会期中は、会場から徒歩10分程度と近く、比較的安めなTravelodgeを利用しました。

gitter上では、現地のSIMは何がいいか、空港から駅までのタクシーの相乗り募集や、飲み会のお誘いなど、さまざまなやりとりがされていました。

9/18 有志による飲み会

Wikiに飲み会をやるよ〜というJon氏の書き込みが合ったので、若干ドキドキしながら参加してみたところ、Akka Tech LeadのRoland Kuhn(@rolandkuhn)氏、以前日本のMeetupにも登壇されたAkka TeamのKonrad Malwski(@ktosopl)氏、Idris作者でスピーカーのEdwin Brandy氏、SpireCatsのリポジトリオーナーでスピーカーのErik Osheim(@d6)氏を含めた濃ゆいメンバー10人ほどで飲んでいました。

ハイキングやアンカンファレンスなどのScalaWorldの話題中心で結構盛り上がりつつ、明日のハイキング結局バスを予約し損ねたから行けないんだよね、という話をしたら「いや、来いよ!車出してやるから」というオランダのUser's GroupオーガナイザーのJoost氏熱烈なお誘いにあい、急遽参加することに(注:初対面です)。

9/19 ハイキング

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朝9時半ごろにバス(自分の場合はJoost氏の車)で出発した後、1時間ほどで目的地に到着。

難易度別にグループが別れており、自分は一番簡単なコースにしてみました。

Idris作者のEdwin氏、VerizonアーキテクチャチームでスピーカーのPaul氏、sbtチームのEugene Yokota(@eed3si9n)氏およびMartin氏、その他Goldman SachsのAlex氏など、総勢7名のグループで参加していました。道中、PaulさんにVerizon社内の話を色々とお伺いし、とても勉強になりました。Paulさん、なんと息子さんもScalaエンジニアだそう!

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片道2時間ほどのハイク。全体的に斜度はさほどでもありませんでしたが、ところどころ険しいところも。

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目指していた丘の頂上に到着。

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無駄に法被を着てみました。

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集合時間まで2時間ほど余裕ができたので、お茶を飲みながらEdwinさんにIdrisが依存型をどういう仕組みで実現しているかについて、チラ聞きするなどして過ごしていました。

9/19夜 有志による飲み会

ハイキングを終えた全参加者の中でまだ体力のある人だけで飲み会。

Yokotaさんが折角イギリス来たしフィッシュ&チップス食べよう!という提案をして、僕が賛同してYelpでお店を調べていたら、Erikさん含め周囲の人がそれに乗っかってぞろぞろ買いに行き、野外でみんなで食べる、というおもしろい一幕がありました。

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特にErikさんとは「(お店の価格表記が)Standarizeしていないね。ポンドとペンスのseparatorが・(ドット)と-(ハイフン)の2パターンあるから、これvariableなんだね」みたいなしょうもない話をしてゲラゲラ笑ったり、真面目な話をしたり、楽しく過ごしていたら、あとで一杯奢ってくれました。Erikさんありがとう!

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ここまでで興味深かったのが、有名人が色々とそろっていたにもかかわらず、誰も「一緒に写真を撮ろう」と言い出さなかったこと。実は写真を一緒に撮ってもらう行為は「selfie」と言って、あまり推奨されない、度を越すとマナー違反の行為だと考えられているようです。以前、他のカンファレンスで自分もやってしまったことがあるので、これは反省でした。

アンカンファレンス以後の様子は、その2へ続きます!

ScalaMatsuri2016 スポンサープラン名の裏話 - ショーグン、ダイミョー... ニンジャ! -

photo by Funky64 (www.lucarossato.com)

こんにちは。ScalaMatsuri スタッフの @daiksy です。

2016年1月30日、31日に東京国際交流館で開催される ScalaMatsuri 2016。 8月19日より、当イベントをご支援いただけるスポンサーの募集を開始しました。

scalamatsuri.org

スポンサー募集サイトをご覧になった皆さんは、少し驚かれたのではないでしょうか? そこで今回は、この特徴的でユニークなスポンサープラン名について書いてみようと思います。

前回、ScalaMatsuri2014 では、スポンサープラン名は次のような比較的よくあるタイプのものでした。

  • Diamond
  • Platinum
  • Gold
  • Silver
  • Patron

今回の2016でも、概ね同様のプラン数を用意することはかねてから決まっていました。とはいえ、会場の変更や前回の振り返りなどを受けて、スポンサープランのそれぞれの特典内容は新しく変更されることになりました。そのため前回お申込みいただいた皆さんが混乱しないように、同じランクでも特典内容は異なっている、ということを明確化するために、スポンサープラン名を再考することになりました。

新しいスポンサー名は次のように決定されています。

  • 将軍(ショーグン)
  • 大名(ダイミョー)
  • 旗本(ハタモト)
  • 侍(サムライ)
  • 忍者(ニンジャ)

スポンサー名の決定には様々な点が考慮されるわけですが、主な検討事項をいくつかご紹介します。

まず、イベントタイトルが "ScalaMatsuri(すから祭)" ということで、スポンサープラン名にも和のテイストを含めてもよいのではないか。 海外に向けても発信することになるが、"ニンジャスレイヤー"、"ネオサイタマ"的な海外でよく知られている日本語を加工したネーミングだと、和テイストを備えつつ英訳もしやすいのではないか。

といったことが検討され、海外にも知られている日本語リスト、などピックアップされたりもしまいした。

当時検討された日本語リスト
富士山(フジサン)
芸者(ゲイシャ)
寿司(スシ)
天ぷら(テンプラ)
豆腐(トーフ)
味噌(ミソ)
カラオケ
切腹(ハラキリ)
空手(カラテ)
盆栽(ボンサイ)
浮世絵(ウキヨエ)
俳句(ハイク)
改善(カイゼン)
残業(ザンギョー)
過労死(カローシ)

そのうえで、スポンサープランでご支援いただく金額によって、ある程度の順位付けが必要であることなどから、中世の武家における階級をベースに検討がはじまり、今に至ったのです。

個人的なおすすめプランは"忍者"です。

もともとこれはPatronと呼ばれていた枠で、組織ではなくどちらかというと個人でご支援いただく場合を想定した枠になっています。 そこで、個人的な要素が強くてかっこいい"忍者"のネーミングが採用されました。

「わたしはScalaMatsuriで忍者です!」と名乗れるの、かっこよくないですか?

皆さまからのご応募をお待ちしておりますので、よろしくお願いします!

scalamatsuri.org

私、ScalaMatsuriで転職しました

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今回ScalaMatsuri 2016スポンサー企業を募集するにあたり、特別企画として ScalaMatsuri 2014を転職活動に活用され、実際に株式会社ドワンゴさまに2014年末に入社された中山裕貴(@pocketberserker)さんに、ScalaMatsuriを利用した転職活動について詳しくお話をお伺いしました。

スポンサーをご検討されている企業のみなさんにとっては「ScalaMatsuri参加者はどんなところを見ているのか?」について、 転職を検討している参加者にとっては「どんな風に転職に活用できるのか?」について、ご参考になれば幸いです。

普段、関数プログラミングに偏らせたScalaの勉強会を開催したりしています(笑)

Q.それではよろしくお願いします。 まずはドワンゴ社内でのお仕事を含め、どのような活動をなさっているか、教えていただけますか?

A.仕事では、サーバーサイドのコードを書いています。

仕事以外だと、F#とかScalaの関数プログラミングに関するソースコードやドキュメントを読んだり、触ったり、PullReqしたりしています。最近一番触っているのは、Property Based Testingに関するものです。HaskellのQuickCheckや、それの他言語への移植版のコードを読んだり、ScalaCheckをF#に移植したり。ScalaCheck, scalapropsもその流れでcontributeしています。ScalaCheckにはPullReq送ったり、scalapropsにはサンプルコードを用意したり。

あとは関数プログラミングに偏らせたScalaの勉強会を開催したりしています(笑) 5月にはLens & Prism勉強会と、7月の関数型Scalaの集いを主催しました。9月には関数プログラミング交流会を開催します。

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転職するとき、ふとScalaMatsuriを思い出しました

Q.転職しようと思ったときのことについて教えて下さい。

A.前職は愛知県でC#やF#を使ってクラウドサービス開発をしていたのですが、東京の勉強会にも新幹線でよく参加していたんです。 愛知県に引っ越したばっかりの頃は、新幹線で駅3つ乗れば東京というのが近く感じていたんですけど、だんだん泊まる場所の手配などを毎回するのがつらいなと感じるようになってきて(笑)転職を考え始めました。

なので、転職先を探す条件としては、場所は東京重視で、その中で働く場所を選ぼうと思っていました。技術志向の会社で、それと今回は人づての転職ではなく、自分の力試しのためにWeb経由でやってみようと。その上で、できればその会社の人と色々話した上で決めたい。

そういう条件で転職しようと思ったときに、パッと思いついたのが数カ月前に参加したScalaMatsuri 2014だったんです。

スポンサーは、技術に対する本気度のフィルタリング

Q.なぜScalaMatsuriのことを思い出したんですか?

A.ScalaMatsuri 2014に参加した当時は転職とか全く考えてなくて、面白そうだからという理由で参加した、という位でした。

でも転職したくなったときにScalaMatsuri 2014面白かったな、と、ふと思い出しました。なかなか会うチャンスのないようなスポンサー企業の人たちとも懇親会で話せていたから最低限の情報を持っていたし、ScalaMatsuriに対してスポンサーしているということが、その技術に対してどのぐらい本気で取り組んでいるか、という一種のフィルタリングとして作用すると思うんですよね。

自分は極度のめんどくさがり屋なので他の転職サイトは使いませんでした。登録がまずめんどくさいし、会社のフィルタリングを自分でやるのも大変。その会社の人に会って話を聞きたくても、その前に色んな人と会わないといけませんしね。

技術情報の発信も重要でした

Q.転職先を絞り込むにあたって、どんな情報を特に参考にしましたか?

A.ScalaMatsuriの求人情報欄にWebサイトのURLがあるかどうかと、調べたときに、その会社の中の人の技術情報が引っかかるかどうかも重要でした。そういう意味では、Scala Matsuriのセッションでこんな話をしている、みたいなリンクはあってよかったかも。 その他で見ていたのは、その会社がどういう技術を求めているのか、あとは休日・休暇・勤務時間・勤務地・福利厚生などですね。(求人情報の分量は多いけど)会社の色が出ているような求人欄だと、面白いので最後まで読んでしまいますね。

その中で受ける順番を決めたわけですが、ドワンゴを1位にした理由は、まず色んな言語を使っていることと、どんな言語をどんなサービスでどのような形で使っているかについて、もともとメリット、デメリット含めて情報発信していたことからです。そしてそのまま受かったので、入社しました。

まとめ

今回お話いただいた中山さんは、ScalaMatsuriを以下のような場所としてご活用いただいていたことが分かりました。

  • 技術に対する本気度でフィルタリングされた企業が集まっている
  • 社員に実際に会って、社内の話を聞ける
  • 社内の技術情報を聞ける

ScalaMatsuriはScalaのカンファレンスというだけでなく、技術志向の強い企業と参加者のマッチングの場所にもなっているようですね。

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最後にご案内です。

技術に対する本気度をアピールされたい方、社内の雰囲気を伝えるブースをご要望の方はこちらよりお申込みください。

ScalaMatsuri 2016 スポンサーの募集

社内の具体的な技術情報について発表されたい方は、こちらよりお申込みください。

ScalaMatsuri 2016 セッションの募集