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ScalaMatsuri運営ブログ

アジア最大級のScalaカンファレンス「ScalaMatsuri」の運営ブログです。このブログは株式会社はてな様のご協力でお送りしています。

「グローバルな技術カンファレンス」と「日本のコミュニティの交流」の両立

ScalaMatsuri スタッフの @eed3si9n_ja です。翻訳チームということになっていますが、企画やノベルティなどサブで何でもやってます。

ScalaMatsuri 2016 の大きな目標として

  • 日本国内の Scala のコミュニティが交流したり、海外も視野に入れて発表できる場を提供する
  • ユニバーサルアクセスを目指して、言語、ジェンダー、民族などの壁を超えて心地よく参加できる国際的な技術カンファレンスを作る

という 2つがあると思います。スタッフがあれこれ考えながら楽しむという側面もありますが。この 2つの目標をどう達成するのかを僕なりに考えてみたのが去年のカンファレンスの後に書いたカンファレンスでのユニバーサル・アクセスへ向けてというブログ記事です。

今回は、日本のコミュニティの交流とグローバル化の両立というテーマで、「ユニバーサル・アクセスへ向けて」で中で出てきた、行動規範、公開 CFP 、投票制など背景を紹介します。アイディアそのものは前から出ていましたが、いざ実現するとなると、実際に参加する人が楽しめるカンファレンスにする、日本の独自色を出すこと、カンファレンスをより技術的に高いものにして近隣諸国を含む海外からの参加者を増やす、などさまざまなパラメータから議論を重ねる必要がありました。

ハラスメントとは?

誰もが自分は常識人だとある程度は思っているのではないでしょうか。言ってみればそれは何かあれば例外を投げればいいと思ってるメソッドに似てて、実は他人に迷惑をかけているかもしれないタイプです。例えば、「男性|女性のくせに・・・」、「〇〇人は・・・だ」はステレオタイプ化と言って立派な差別です。

ScalaMatsuri では行動規範 (code of conduct)を前回から採用していますが、今回特に明記したのはナンパ行為 (容姿に関する発言、恋愛・性的興味を目的とした発言) の禁止です。「そんな事する人いない」と思われるかもしれませんが、Scala 関連を含め、近年のカンファレンスでのハラスメント事例は定期的に報告されています。日本そのものの文化に不慣れだったり、普段コミュニティと関わりが少ない人、特に国内外の女性のハッカーに安心して参加してもらえるようにするには、「安全な空間」を作るための型を早急に明確にするべきだと思いました。

お互い、ハッカーとして敬意を持って接して下さい。ご協力お願いします。

公開 CFP

過去2回の開催では運営側が招待講演者を選定して、初回は Typesafe社から 4人の参加、第2回は Martin Odersky 先生にも登壇していただきました。さらにセッションの技術的なレベルを上げる方法として今回から長期の公開 CFP、最大 $2000 の旅費サポートを提供することに踏み切りました。

特に、40分英語のセッションには現在のべ 32本の案が集まっています。従来の運営側を通しての方法では不可能だった競争率となっています。幸いなことに今年はスポンサー各社に恵まれたため、予定通りの旅費予算が確保できることになりました。ありがとうございます。

集まってきているセッション案は両言語とも幅と深みを持った数々で、どれが選ばれても面白いカンファレンスになりそうです。また、プロの同時通訳を 2会場に採用して英和、和英双方向とも同時通訳が行われるため、より理解が深まることを期待しています。

投票制

カンファレンスの参加者の意見を反映させる仕組みとして、nescala の影響を受けて採用したのが第一次チケット購入者・スポンサー各社・スタッフの 3者によるセッションの投票制です。限られている旅費予算をフェアに分配することも目的としています。

セッションの投票は、CFP 締め切りの翌日 10月16日から開始され、10月30日23:59 JST に終了します。

投票のルールはCFP ページでも公開されていますが、

  • 投票は以下のカテゴリ別で行われます: 40分英語セッション、40分日本語セッション、15分英語セッション、15分日本語セッション。
  • 投票の結果、両言語とも8つの40分セッションそして3つ の 15分セッションを選出することを目標とします。ただし、数は旅費予算によって変わる可能性があります。
  • 40分日本語セッションにのみ初心者向けの固定枠を2つ設けます。英語のセッションにはそのような固定枠は設けません。
  • 1人あたり 1つのセッションのみ当選できることとします。

上のルールでは運営側で操作した変数もいくつかあって、そのうちの一つは当選されるセッションの言語比率を 1:1 にしたことです。現在圧倒的に英語の応募者の方が多いですが、旅費予算の関係や、日本国内からの参加者が大多数となるであろうこと、地域色を出したいことなどを勘案して 1:1、つまり 40分セッション各 8枠、15分セッション各 3枠、という配分にしました。

今回の CFP 応募の段階で、セッションの意図する聴衆 (初心者、中級者、上級者向け) を聞くようにしました。海外からの参加者はスピーカも参加者も中級以上に偏ることが想像されますが、国内の参加者は最近 Scala を始めた人もいると思います。事前の知識が無くても楽しめる日本語でのセッションが一定数あるべきだと思ったので、日本語の 40分セッションには初心者向けの固定枠を 2つ設けました。

投票終了後に、得票順にセッションが暫定採用されますが、上位より旅費サポートが割り当てられるため、得票順や、言語別の割り合いがどうなるかは結果を見るまで分からないところがあります。

CFP 翻訳

英語と日本語のセッションを英語話者および日本語話者が投票するということで、発生しているイベントが CFP 翻訳という作業です。現在ある 58本の応募を翻訳チームがタイトルと概要を両方、原文が英語なら日本語に、原文が日本語なら英語に翻訳しています。

特に英語圏のカンファレンスのトークや計算機科学関連は、「食事する哲学者」や「scrap your boilerplate」など言語のセンスが豊かでキャッチーでタイトルのものが多いので、翻訳チームでも真剣なトピックでも固くなり過ぎないように遊び心を入れた訳をしています。

ScalaMatsuri を盛り上げるネタ

ScalaMatsuri のメインコンテンツは、皆さんの発表です。「こういうカンファレンスに行きたい」「こういうトークが聞きたい」というアイディアがある人は twitter などで、#scalamatsuri 付きでつぶやいてみるか、10月15日00:00 JST まで募集している CFP に奮ってご応募下さい。

今回も 2日目はアンカンファレンスをやります。その場で決めたトピックで座談会するも良し、今からコツコツとプログラムをハックしてアッと言わせるデモをやるも良し。今回の会場は部屋が色々あるみたいなので、ちょっとマニアックじゃないかなというネタでも 2日目はいけると思うので、色々考えてみてください。